
結論から言うと、40代からの資産運用は決して遅くないと思います。
但し、退職が20~30代より近づいているため、株式100%で資産運用したほうがいい!、とは言えませんね。
今回は40代から資産運用を始める場合、どのようなポートフォリオを組んで資産運用をしていけばいいのか解説していきたいと思います。
40代の会社員は、20~30代の時と比べて会社での地位も上がり、収入が上がってくる頃。
マイホームのローンや子供の教育費はまだまだかかるものの、子供が自立し始めてきてある程度余裕が出てきて老後の生活についても考えるようになる年代ではないでしょうか。
そんな40代の方が、20~30代の資産運用時期と比べたときの違いとしては、
積立られる投資期間が少なくなっている
という点が挙げられると思います。
40代の場合はリタイア後の生活を見据えた資産運用が必要になってくるため、リスクは大きく取ることが出来ません。
20~30代のうちは株式100%でも良いのですが、投資期間が短い40代は株式が持つリスクは20~30代と比べてどうしても大きくなってしまうのです。
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40代から資産運用を始めるなら
株式は長期で保有すればするほどリスクが減少する性質を持っています。
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40代は20代と比べて保有期間が短いため、株式だけの保有では少し不安です。
その為、債権を組み込むとリスクが下がり、安定したポートフォリオを作成することが可能です。
債権の特徴
- 債権は資産全体の値動きを緩やかにする
- 債権を組み入れたポートフォリオは、調整局面に強い
- 分配金を得ることができる
債権は資産全体の値動きを緩やかにする
下の図は、”PORTFOLIO VISUALIZER”というサイトでバックテストした結果です。
比較条件
対象期間:2003年〜2019年の16年間
投資額:10,000ドル
Portfolio 1 → 株:債権=6:4
Portfolio 2 → 株:債権=4:6
年1回リバランス、インフレを考慮
この比較からほとんどの期間、株式を組み入れた比率が高いほどリターンも高いことが言えますね。
ただし、リーマンショック時は株式は最高値から50%の下落に対し、Portfolio2は14%の下落で持ちこたえています。
過去20年を振り返ってみると、
- 2000年代前半はITバブルの崩壊
- 2007年にリーマンショック
があり、そのとき株式は大きく下落しました。
債権には株式と負の相関(例:株式が100円下がると債権は30円上昇する)を持つことが多く、債権を組み込むことにより値上がり(値下がり)は緩やかになり、大幅な下落を抑えることが可能です。
債権を組み入れたポートフォリオは調整局面に強い
上の図は、年次の各ポートフォリオの騰落率です。
株式100%は騰落が激しく、債権を組み込めば組み込むほど、その騰落差は縮まっていきます。
先の説明の通り、債権を組み込んだポートフォリオは下落局面に強い性質を持ちます。
退職していざ資産を切り崩していこうと考えているときに資産が50%も減ってしまってはきついですよね。
そのため、投資期間が短い40代のサラリーマンが安定した資産形成をするなら債権の組み込みは必須と言えるでしょう。
分配金を得ることができる
株式を保有していると配当金を得ることができますが、債権も同様に分配金という形で金利収入を得ることができます。
債権も国や企業の財務状況が悪化して、金利の支払いができなくなる、「デフォルト」というリスクもあります。
しかし、AGGやLQDと行った、投資適格社債と呼ばれる超優良債権を集めたETFであれば、そもそもデフォルトが起きないような国や企業を対象にしていますし、デフォルトが起きたとしても、広く分散して債権を購入しているので、デフォルトリスクは最小化されているといえます。
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40代からポートフォリオを組むなら?
株式の保有割合は
120歳-実年齢
で計算して出てきた割合をおすすめします。
40歳からポートフォリオを組むなら、株式:債権=8:2といったくらいです。
投資期間が短いため、20代から株式100%で保有している方には敵わないかもしれませんが、十分リターンを狙いつつ、資産の下落を抑えた投資が可能になります。
株式と債券の内容ですが、
株式であればS&P500や全世界株式指数に連動したインデックス投資を
債権であれば米国投資適格債権を集めたETF(AGGやLQD)などをおすすめします。
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まとめ
今回は40代から資産運用を始める場合のポートフォリオを解説しました。
人生100年時代、老後2000万円問題が叫ばれている現代で、ゆとりある老後を送るために40代からの資産運用を始めることは遅くありません。
例は46年の平均寿命は95歳と予測されているので、今現在40歳の方はまだ人生折り返ししていません。
もちろん資産を切り崩していくフェーズに入った時、暴落が起きたりなどして、100%元本割れはないという保証はできませんが、債権を組み入れることでより安定した資産運用を行うことが可能です。
適切な投資商品を選んだうえで、今から準備を始めてみるのもどうでしょうか。
今回は以上です。
2020/3/22
mozu