
いざ、証券口座を開いて先ずは投資信託から始めようとしてはみたものの、投資先に迷ってしまうことは少なからずいると思いますが、
その中でも決して選ぶべきでない投資信託(地雷)はアクティブ型の投資信託です。
私も投資信託を始めたばかりのころはちょうど『ひふみ投信』が世間をにぎわせていた時期だったので、当ファンドに投資していた時期もありました。結果的には僅かな運用益を出したところで手を引くことができました。
今回はアクティブ型の投資信託を避けるべき理由について解説していきます。
インデックス型とアクティブ型
投資信託には主にインデックス型(パッシブとも呼びます)とアクティブ型の2種類に分かれています。アクティブ型はあるインデックス指数をベンチマークとし、運用益がインデックス指数を上回る成績を目指します。
例えば『ひふみ投信』は東証株価指数(TOPIX)をベンチマークとしていますね。
インデック型も様々な種類がありますが、基本的には何かの指数に連動した動きを目指しています。
皆さんの馴染みの深い指数でいえば、日経平均株価や東証株価指数などがありますね。
米国でいえばNYダウやナスダック、S&P500などがメジャーな指数として知られています。
アクティブ型の投資信託がインデックスに勝てていない事実
高パフォーマンスも長くは続かない
雑誌やネット証券なんかの投資信託のパフォーマンスランキングをみれば、市場を上回る実績を上げたファンドが数多く存在していることは事実です。
ひふみ投信はテレビ東京のカンブリア宮殿で特集されて以来、人気を集めているアクティブ型の投資ファンドですが、設定来のパフォーマンスはベンチマークとしているTOPIXが97.8%であるのに対し、ひふみ投信は391.8%と約4倍のパフォーマンスを見せています。
確かにすごいパフォーマンスではありますが、高成長の持続性に目を向ける必要があります。
今現在高パフォーマンスを出しているファンドも結局は平均に収束いきます。
高成長は長くは続かないということです。
以下の表で示している通り、ひふみ投資とTOPIXの各期間まで遡った時の騰落率を示しています。
設定来及び3年前まではひふみがTOPIXを上回っていますが、過去1年までになると両者のパフォーマンスはそんなに変わることなく、
むしろTOPIXの方が良いパーフォーマンスであることがわかります。
1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
ひふみ | 3.0% | 12.7% | 11.1% | 4.4% | 42.3% | 391.8% |
TOPIX | 1.9% | 13.5% | 13.7% | 4.5% | 23.7% | 97.4% |
※2019年11月末時点
この結果から、過去のパフォーマンスをもとに将来の結果は予測できないことがわかります。
これまでの長い歴史から投資の世界においては「昨日の花型投信は今日は負け犬」なんて格言がありますが、
上述したした結果はまさにこの格言を物語っているでしょう。
投資の先進国アメリカでもアクティブファンドの9割がインデックスファンドに勝てないという調査結果がでています。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが2016年上半期の株式ファンドの運用成績を発表し、このような結果を明らかにしました。
米国の大型株・中型株・小型株で運用するアクティブファンドの総収益率は、1年、5年、10年すべての期間で9割がインデックスファンドの総収益率を下回っていたのです。
優秀なファンドマネージャーを雇っても、結局はインデックスに負けてしまうなんて皮肉な話ですよね〜。
手数料が高い
アクティブ型投信はインデックス型と比べて一般的に運用管理手数料(信託報酬)が高い傾向にあります。
高給取りのファンドマネージャーを雇ったり、株式の売買を頻繁に行うため、売買手数料がかさむことが大きな要因です。
ひふみ投信の運用管理手数料(信託報酬)は1.078%(税込)/年とアクティブ型の投資信託にしては比較的安い方ですが、
それでも手数料が1%を超えてくる投資信託は高いと感じた方がいいです。
対して、インデックス型の投資信託の運用管理手数料は1%を下回ることが一般的です。
私が投資をしているS&P500に連動する投資信託の運用管理手数料の最安値は0.0938%と一般的なアクティブ型の投資信託の9割以下のコストで運用することが可能です。
たかが1%かもしれませんが、投資の政界では5%の運用益が出れば大成功の部類に入ります。
そんな投資の世界においてスタートの地点から約1%以上もディスアドバンテージがあるのはめちゃくちゃ大きい差です。
手数料を上回るパフォーマンスを出し続けてくれればいいのですが、
大方のアクティブファンドは平均に収束していき、もしくは平均を下回ってしまうので、
長期的な目線での投資を考えた際は、割高な手数料の払い損になってしまう可能性が高いです。
運用管理手数料を加味して過去1年間ひふみ投信とTOPIX連動投資信託を運用した場合の結果は以下の表の通りとなります。
手数料を引く前の運用益の差は0.1%でTOPIXの方が若干上回っています。
手数料を引いた後の運用益の差は0.63%とその差は6倍以上に広がってしまっています。
(補正前) | (補正後) | |
ひふみ | 4.4% | 3.32% |
TOPIX | 4.5% | 3.95% |
※TOPIXはニッセイ TOPIXオープンで運用を行った場合の信託報酬を想定
わざわざ高い手数料を払った上に、パフォーマンスもインデックスどっこいまたはそれ以下では元も子もないですね。
証券会社等が手数料狙いでやっている可能性も
これだけパフォーマンスが悪く、普通なら消えてもいいはずのアクティブ型の投資信託ですが。
今でもなお、残り続けています。なぜでしょうか?
一つの理由としてはアクティブファンドはファンドを運用する証券会社や保険会社の貴重な収益源の一つだからです。
今日の証券業界は、株式を売買する際に発生する手数料だけではいきていけない世界となっています。
アクティブ型の投資信託は一旦入ってもらえ際すればあとはストック型の安定的な収入が入ってくるので、
証券会社にとって切ってもきれない貴重な収益源になっていると言えるでしょう。
さらに投資信託はたとえ運用損を出したとしても、ファンドには何の責任もありません。
アクティブ型の投資信託は皆さんの資産を増やすことよりも、手数料を稼ぐことを主目的にしていることが多いので、
アクティブ型の投資信託を検討している方はその点も踏まえて購入してくださいね。
まとめ
事実、大方のアクティブ型が長期的に見た場合、インデックスファンドに勝てていないことから、
わざわざ高い信託報酬を払ってまでアクティブファンドには投資をすることは得策とは言えないと考えます。
またアクティブ型は運用管理手数料が高いため、長期保有には向きにくいです。
投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェット氏の「永久保有」という言葉があるように、投資した株や投資信託はよほどの理由がない限りホールドすることが望ましいとされています。
維持コストが低くかつ、安定的な成長が見込めるインデックス投資にこそ長期的にな目線で資産を形成していける手法だと考えています。
ではまた!
2019/12/15
mozu