
化学業界への就職(転職)に興味があるんだけど、実際どんな働き方なんだろう??
化学メーカーの営業ってやっぱり化学の知識がないとやっていけないのかな?
今回は化学業界への就職(転職)を考えている方に向けて、実際に都内の化学メーカーで営業として働いている私が、未経験でも働けるのか?働き方は?ワークライフバランスは?などを解説していきます。
この記事を読んで皆さんの化学メーカーへの就職・転職の一助となれば幸いです!
プロフィール
見出し(全角15文字)
出身地:北海道札幌市生まれのアラサーサラリーマン。
大学:都内国公立大学
先行:経済・経営学
就職先:都内大手化学メーカー
職務:素材営業(スマートフォン向けがメイン)
化学業界って?
化学メーカーは石油、ガス、繊維、紙・パルプ、電子材料などの種々の分野に細分化できますが、
ざっくりいうと仕入れてきた原料を合成・分解・重合反応といった「化学変化」によって付加価値の高い材料を製造する企業です。
なぜ化学業界を目指したのか?
知っての通り、化学素材はみなさんが直接目にする機会は少ないと思います。
しかし、普段何気なく使っているスマホや自動車、化粧品など生活のあらゆる面で化学素材はなくてはならないものとなっています。
そんな全産業の根幹を担っている「化学」という可能性の大きさに当時学生の私は興味があったんですね。
また、当時化学メーカーの営業スタイルとして、「提案型営業」の色が強いところも魅力的に映りましたね。
例えば、自動車などはすでに製品としては完成しているので、それを売るとなると、人柄や仕事ぶりなど、製品以外の面で、魅力を出す営業をしていかなければなりません。
対して化学素材はある意味で製品として完結していものもあります。
ある一つの化学素材でも、電子部品や自動車向けなど、用途が多岐にわたることがあり、
化学メーカーの営業は顧客のニーズと自分たちが持っている素材価値をうまく組み合わせることが求められます。
業界・顧客の求めるものを理解して、自分たちの持っている素材をどう適用させてあげられるか?
できなければどのような素材を開発すればいいのか?
単なる売り子の商売はではなく、広い意味で自身も製品開発の一端を担うことができるところにも魅力を感じましたね。
化学メーカーの営業としての働き方

私は最初このように思ってビクビクしていたのですが、実際フタを開けてみると、文系出身の営業の方が多いです。
部署によっても比率は異なりますが、私の部署は7割くらいは文系の社員です。
印象として、特殊であればあるほど技術系が、汎用的あればあるほど文系が多い傾向があります。
扱う製品が汎用品か特殊品か、その製品が持つ用途や応用分野などによって営業スタイルて全くといっていいほど異なります。
単に化学メーカーに入社するだけでは自分のやりたいようなスタイルで仕事ができない可能性がありますので、注意が必要です。
例えば、基礎科学製品(エチレン、塩ビ、苛性ソーダ、メタノール等)であれば競合との製品の差別化が難しいため、自身の人柄を売ったり、パートナーとなる商社さんとうまく付き合っていくコミュニケーションスキルが大きく求められます。
ただ共通していることとして、営業は工場・研究所と顧客の橋渡し役を担い、ビジネスを円滑に進めるための仕組みづくりを担います。
具体的には
- 生産計画・納入スケジュールの立案及び調整
- 契約書の作成・顧客との詰め
- 顧客と製品の仕様詰め
- 顧客訪問、市場動向の調査
- 販売計画予算の作成、収支管理
- クレーム、品質トラブル、監査の対応
- 新規顧客の開拓
- プレゼン資料の作成
以上のような内容の仕事をルーティンワークとして行うことが多いです。
私のいる部署は事業規模の小さい部署なので、予算資料の作成や収支管理など、
一見管理部門がやりそうな仕事もやっていかなければならなかったりしますね。
当初、提案型営業に憧れて入社した私ですが、結果的には希望通りの営業はしていません泣。
私の担当製品は電磁部品業界のあるものにしか使われない素材なので、営業スタイルとしてはルート営業で、
顧客の需要の増減によって販売が左右される製品なんですよね泣。
ただ、若手のペーペーの頃から一人で顧客回りをやらせてもらったり、基本的には自由にやらせてもらています。
売上目標はもちろん設定しますが、化学素材は全般的に顧客の需要動向によって、売上が左右されます。
販売ノルマ的なものを課されることはないため、他の業界と比べてゆるく働けてしまう環境になることが多いです。
この点が化学メーカーがホワイトと言われる所以の一つなのかもしれません。
そのため、仕事に張り合いがないといって、転職していく人もために見受けられますね。
また、一度配属されると異なる事業への異動がほとんどないのが特徴です。
営業するにあたっての化学的な知識ですが、技術的に突っ込んだ話になった場合は工場・研究所の方の出番となるので、心配する必要はありません。
ただし、顧客と円滑にビジネスを進めるための基礎的な知識は身につけていかなければなりません。
その点はOJTで覚えていけますので安心してください。
働きやすさについて
化学メーカーは総じて残業が少なく、年間休日は120日以上あるので、ワークライフバランスは取りやすいと思います。
繁忙期はもちろんありますが、平均して残業時間が30時間を上回っている社員は少数のように感じます。
子育て世代の人たちはフレックス制度を利用して出社時間と退社時間を調整している人も多いですね。
化学業界はプラントをつくるにの莫大な費用と期間を要することから、参入障壁がかなり高いことが特徴です。
そのため化学メーカーは創業数十年以上の老舗企業であること多く、若い企業は少ない業界です。
企業の歴史が長いことに加えて社員の平均年齢が高いため、企業体質は正直古すぎです…。
仕事一つにしても、情報の管理はデータではなく紙伝票の煩雑な管理が中心で、書類もデータ送信ではなくFAX送信を行うことも多いですね。
単調な入力作業も総合職の社員が行なっていることもしばしば。
あとは古い企業体質が故に、物事を進めていく際に、面倒な社内政治をこなしていかなければならないことが多いです。
いわゆる根回しってやつですね。
年収について
化学メーカーの平均年収は500〜600万円と言われています。
この平均年収は他の業界と比べた場合、高い水準にあるようです。
また知っておきたい化学業界全体の給与特徴として、若手のうちは年収は高くありません。
ざっくり年齢別の年収がどうなっているかというと、
- 入社1年目:400万円
- 30歳:600万円弱
- 40歳:700万円
- 50歳:1,000万円弱(うまくいけば)
こんな感じですね。
入社後年収はかなり緩やかに上がっていき、40代付近で700万円くらい、50代で1,000万円に届く人もいるかなという印象です。
年功序列の制度が根強く残っているので、ボーナスは多少個人の成果も加味されますが、勤続年数に応じて年収は上がっていきます。
そのため同年代で仕事で高いパフォーマンスを出している人とそうでない人の年収差はそこまで出ないのが現状です。
まとめ
化学業界は比較的ホワイトな業界と言われていますが、総じて言えばその通りだと思います。
対して、年功序列の風潮がまだ残っており、仕事をバリバリやって若いうちからガッツリ稼ぎたいと言う方にはあまり向いていないかもしれません。
働いている社員の人柄ですが、ガツガツした働き方をしないせいか、温厚な方が多いように感じます。
年収も商社や金融と比べて低いですが、残業が少なく、年休も含め休みは取りやすいことから、
仕事外の時間をしっかり確保して、勉強や副業、家族の時間を重視したい方にとってはオススメできる業種と言えます。
化学業界に興味がある方に参考になれば幸いです!
ではまた!
mozu
2020/1/25