
インデックス投資を始めようと思ってS&P500に連動した商品に投資しようと思うけど、投資信託とかETFとか色々種類があるみたい…。
どうやって選べばいいのかな??
インデックス投資の王道の指数であるS&P500、S&P500に連動する商品は大きく投資信託とETFに分かれます。
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S&P500に連動する投資信託(ETF)が最強な理由
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本記事では投資信託とETFどちらがオススメかそれぞれの特徴を比較したうえで解説していきます。
結論からいうと、長期投資においては投資信託での購入をオススメします。
ではいってみましょう!
ETFとは?
ETFとは日本語で「上場投資信託」と呼びます。その名の通り、市場に上場されている投資信託です。
対して投資信託は市場から購入せず、投資ファンドにお金を預けるという形で投資します。
ETFのメリットは?
ETFのメリットは大きく3つあります。
- 市場でリアルタイムでトレード可能
- 値動きがわかりやすい
- 運用コストが比較的安い
市場でリアルタイムでトレード可能
ETFは株式と同じように、市場が開いている時間であればリアルタイムで自由に売買することが可能です。
売買スタイルは株式投資に近いですね。
対して投資信託は市場が閉まった後に1日1回基準価格が更新されます。
売買が成立することを約定といいますが、購入(売却)の申し込み後、約定するまでに1〜2日間の日数を要します。
例えばeMAXIS Slim S&P500であれば当日15日までに購入の申し込みをすると翌営業日の基準価格で約定します。
投資信託はリアルタイムの売買ができないということですね。
値動きがわかりやすい
S&P500に連動するETFは、S&P500と同じ値動きをするよう運用されるため、日々の値動きががわかりやすいと言えます。
運用コストが比較的安い
ETFも投資信託であるため、保有期間中は運用管理費用として「信託報酬」が発生します。
同様の指数と連動する投資信託と比較するとETFの信託報酬は低いです。
一方で株式と同じようにETFは売買のたびに手数料が発生するほか、外国ETFの場合は円をドルに換えて購入する必要があるため為替手数料が発生します。
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券ではS&P500に連動するETF(VOO、VT等)の無料化されると発表がありました。
投資信託とETFのコストを表すとこんな感じ。
投資信託→「信託報酬(高め)」
上場投資信託→「信託報酬(安め)」+「売買手数料」+「為替手数料」
SBI証券で
投資信託は「SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド」
上場投資信託は「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」
を仮に100万円分購入した場合のコスト場合のコストは以下の通りです。
※為替レートは1ドル=100円で固定
※為替手数料はSBI住信を経由して(1米ドルあたり4銭)適用
1年目
SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド
→938円(信託報酬0.00938)
VOO
→300円(経費率0.03%)+400円=700円
為替リスクを考慮しなければ1年目からETFの方が低コストで運用できることがわかります。
ETFは選択肢が多い
おおもとの投資テーマがS&P500だとしても、ETFにはS&P500の中で
- バリュー株を中心に集めたもの
- 優良高配当株を中心に集めたもの
- S&P500+米国小型株
などバリエーションにあふれています。
単純にS&P500に連動するETFではなく上記で述べたETFに興味がある方は購入を行っても良いでしょう。
ETFのデメリットは?
- 税金の繰延ができない
- 最低購入額が高い
- 為替リスクがある
- ドル転がめんどくせぇ
税金の繰延ができない
S&P500のインデックス投資をする方は中長期で保有する方が多いと思います。
VOOなどのETFの場合は保有銘柄から出る配当金は分配金としてETF保有者に配られてしまいます。
分配金をもらう、ということは利益を確定してしまうということなので、将来売却損が発生した場合は、分配金の利益と売却の損失を相殺することはできません。
対して投資信託は配当金はファンド内で自動で再投資の資金に回すので、分配金利益はゼロとなり、税金が発生しません。
例えばVOO(ETF)とeMaxis Slim S&P500(投資信託)それぞれ100円持っていたとしましょう。
1年後に20円分の分配金が発生し、資産価値が変わらなかったとすると、
VOOは100円(→20円は利益確定)
eMaxis Slimは120円(←円は再投資)
となります。
さらに1年後、S&P500は10%下がり、分配金は15円だったとします。
この時点でそれぞれ売却した際のトータルリターンを見てみましょう。
VOOの場合
1年目の利益→分配利益20円×80%=16円
2年目の利益→(売却損▲10円+分配金15円)×80%=4円
合計:+20円
eMaxis Slimの場合(2年目は分配金を再投資に回さない)
1年目の利益→無し
2年目の利益→(売却益8円+分配金15円)×80%=23.8円
合計:+23.8円
あくまで例ですが、eMaxis SlimのリターンはVOOと比べて20%高い結果となりました。
これは税金を繰り延べしたことによるメリットに他なりません。
得られる分配金を他の金融商品に投資したい!
というのであれば話は別ですが、そのまま同じETFに再投資するなら、税金が引かれない投資信託を選んだ方が有利です。
最低購入額が高い
投資信託は100円から購入できるのに対しETFは株式と同じように市場価格で購入しなければなりません。
例えばS&P500に連動したETFであるVOOを購入しようとすると、最低でも3万円弱を用意しなければなりません。
為替リスクがある
購入時は円安、売却時は円高のだった場合、ETFの損益だけではなく為替差損が発生する場合があります。
ただし、これはETFのみならず円建ての投資信託出会っても為替の影響は受けるので注意が必要です。
ドル転がめんどくさい
米国ETFはドル建で購入する必要があります。
証券会社で勝手にドル転してくれることが一般的ですが、コスパよくドル転をするためには住信SBI・SBI証券を利用して
住信SBIに入金→住信SBIでドルの積立投資→住信SBIのドルをSBI証券に移管→SBI証券で購入
という手順を踏まなければならないので少々めんどくさいです。
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住信SBIネット銀行でドル転の為替手数料を最安にする方法
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S&P500を長期投資するなら手軽な投資信託はいかが
投資信託はETFに比べると信託報酬はやや割高の印象を受けますが、100円から自動で積立投資ができるのと、分配金を出さずにファンド内で投資対象銘柄の配当金を再投資してくれれば、20年、30年と超長期で見れば信託報酬の差以上にリターンが大きくなってくれる可能性は高いでしょう。
ETFは一言にS&P500といっても若干マイナーチェンジをした商品が数多く、バリエーションに富んでいます。
私はS&P500に連動した投資信託への投資がメインですが、
高配当に特化したSPYDやHDVなどのS&P500から派生した高配当ETFにも投資しています。
最終的には皆さんの投資スタイルに合わせて選択してもらえたらと思います。
ではまた!
2019/11/21
mozu