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がん保険が必要がどうかについて 結論:不要です

 

 

結婚・出産を期にみんなががん保険に入ってるからなんとなく保険に入らなきゃいけない気がする。

まずはほけんの窓口に相談に行った方がいいかな?

 

ライフステージの変化によって付きまとう保険の問題。

今回はがん保険(医療保険も含む)が不要な理由について解説していきます。

 

 

保険の役割

 

人生に必ずつきまとう保険問題。

がん保険に限らず、医療保険や火災保険、自動車保険など世の中のあらゆるリスクに対して、補償を行ってくれる保険が世の中には存在します。

 

確かに入って安心できるという側面はありますが、すべての保険に入ればいいかというと、話が変わってきます。

「よくわからないけどとりあえず安心しておきたいから保険をかけておく」

このような感覚で安易に保険に入ってしまうと、後々後悔することになります。

 

保険は人生の4大支出(家、自動車、老後、保険)の1つといわれています。

 

家や自動車などはみなさん検討を重ねてから購入すると思いますが、

なぜか保険の仕組みについてよく理解されないまま支払ってしまっている支出です。

 

保険に入りすぎて保険貧乏になることを避け、本当に必要な保険だけを選ぶことが大切です。

 

話をがん保険に戻しましょう。

 

 

今や「2人に1人ががんにかかる時代」

やっぱりがん保険に入っておいた方がいいんじゃないの?

 

 

保険の営業マンもこういった切り口でがん保険を勧めてきます。

 

では、がん保険は本当に必要なのか考えていきます。

まずは以下の数値を一緒にレビューしてみましょう。

 

  1. がんになる確率
  2. がんで死ぬ確率
  3. がんの治療費
  4. がん保険の総払込額
  5. がん保険でいくら返ってくるのか

 

がんになる確率

 

 

上の図は国立がん研究センターが公開している生涯でがんに疾患する確率です生涯というのがポイント)。

 

確かに巷で言われている通り、2人に1人ががんになるというのは事実です。

 

 

次に年齢別でがん疾患する可能性の確率を見ていきましょう。

 

当たり前ですが、年を重ねるにつれてガンに罹患するリスクは高まっていきます。

 

 

男性で見た場合、

生まれてから30歳になるまでにがんになる確率は0.5%、60歳までの場合は8%です。

働き盛りの若年層は200人に1人ががんになる計算ですね。

 

またこの数値はがんになる確率ですので、がんで死ぬ確率はまた別次元の話になります。

 

ここで大事なのは若い世代はがんになる確率が極めて低いという点です。

 

 

今度はがんで死ぬ確率をみていきましょう。

 

2017年のデータでは生涯でがんで死亡する確率は、男性25%(4人に1人)、女性15%(7人に1人)でした。

 

同様に死亡率を世代別でみていくと以下の通りとなります。

 

30代の男性が30年後にがんによって死亡する確率2%、

つまり30歳の男性が定年を迎えるまでに100人のうち2人ががんで死亡する計算となります。

 

この2%の確率で起きる事態に備えてがん保険を掛けるのは妥当かどうかを検証していく必要があります。

 

がんの治療費(自己負担額)

 

がん治療に必要な費用の目安(入院費、保険外治療、民間療法含む)自己負担額の合計は

149万5000円です。

参照:レファレンス共同データベース

出典:AFLAC医療費調査「がんの治療にかかわる経済的アンケート」(2003年3月実施。調査対象はがん保険給付金・保険金受取人で有効回答数432人)

 

自己負担の内訳は下図の通りで、初再診料、入院料、検査料、手術料、投薬注射料など

治療に関わる基本的な費用が自己負担分に該当します。

 

 

診療報酬の改定やがんの種類、治療内容などによって、治療費は変わるため、

149万5000円という数字はあくまで目安と考えてください。

 

がん保険に入る際、どれだけの費用がかかるのか検討したことがありますか?

今ご説明してきた通り、がん治療の費用がある程度わかってくると安心して判断できるようになりますよね。

 

がん保険の総払込額

 

今回はアフラックの「生きるためのがん保険Days1」という商品の払込総額を下の表に表しています。

 

スタンダードプラン
年齢 月額 年額 80歳までの合計額
20 2,354 30,408 1,824,480
25 2,914 34,968 1,923,240
30 3,394 40,728 2,036,400
35 4,084 49,008 2,205,360
40 5,025 60,300 2,412,000
45 6,136 75,792 2,652,720
50 8,128 97,536 2,926,080
55 10,589 127,068 3,176,700
60 13,693 164,316 3,286,320
65 17,267 207,204 3,108,060
70 20,940 251,280 2,512,800

 

加入する年齢にもよりますが、

結婚や出産を機にがん保険に加入する30代の方を想定した場合、

80歳までに約200万円の保険料を払い込む計算となります。

 

がん保険でいくら返ってくるのか

 

実際にがんになってしまった場合、

上記の「生きるためのがん保険Days1」からいくらもらえるのかを以下の表にまとめました。

 

診断給付金 がん 50万円

上皮内新生物 5万円

特定診断給付金

(所定の条件に該当)

がん 50万円
入院給付金 1日につき1万円
通院給付金 1日につき1万円
手術治療給付金 1回につき20万円
放射線治療給付金 1回につき20万円
抗がん剤治療給付金 治療を受けた月ごと10万円
ホルモン剤治療給付金 がん治療を受けた月ごと5万円

入院14日、通院40日、手術、抗がん剤治療を受けたと想定すると、134万円の給付金が支給されます。

 

先程の統計資料の通り、30歳の男性が80歳になるまでにがんになる確率は14です。

期待値に直すと保険金で得られるリターンは

134万円×14%=18.76万円となります。

 

払込金額200万円に対して戻ってくるお金の期待値は18.76万円とどう考えても割似合いません。

毎月保険料を払うくらいなら、そのお金を投資信託などの資産形成に回しておいた方が、有事に使えるお金ははるかに多くなります。

 

次にがん保険に入る必要がない理由を解説していきます。

 

公的保険がめちゃくちゃ充実している

実は私たちは知らず知らずに世界最強の保険に強制加入しています。

社会保険料は高い高い、と非難の的になっていますが、

日本の公的保険は世界でみてもトップレベルの保証内容になっています。

 

サラリーマンの場合、保険料の半分は会社が負担してくれている点も私たち個人とっては素晴らしい点だといえるでしょう。

そのため、がんになったとしても、最低限の貯蓄を用意しておけば、公的保険で十分カバー可能です

ポイント

  1. 高額療養費制度
  2. 傷病手当金
  3. 障害年金
  4. 医療費控除
  5. 雇用保険

 

高額療養費制度

上図の通り、少し計算がややこしいですが、つまりどれだけ治療費が発生したとしても、

高額療養費制度を利用すれば大体の人は毎月最大8万円程の医療費を払うだけで済ませることが出来ます。

 

月収30万円のサラリーマンの場合、医療費が5ヶ月間にわたって、40万円/月発生したとします。

その場合、実際に負担する医療費は以下の通りです。

 

1~3ヶ月目の医療費

80,100円+(400,000 - 267,000)×1% =81,430円

4ヶ月目以降

治療費の額に関わらず44,400円

 

5ヶ月間トータルで支払う金額は333,090円となります。

本来支払うべき2,000,000円のうち1,666,910円は国が支払ってくれるのです。

 

傷病手当金

 

健康保険組合に加入している会社員や公務員の方は、

傷病を理由に3日以上連続して就業が出来なかった場合、

健康保険から傷病発生日以前の平均月給の3分の2最長1年6ヶ月受け取ることが出来ます。

月給30万円の場合、20万円は働かなくとも1年6ヶ月は補償されるのである程度の貯蓄があり、

高額療養費制度を利用すれば、がん保険に頼らなくても十分生活することは可能でしょう。

 

ちなみに大企業の場合は付加給付制度を採用している場合もあり、医療費をさらに抑えることが出来ますし、

有給休暇を利用すれば、収入がゼロになるということは考えにくいです

 

補足的情報ですが、介護保険加入者(40歳以上)で末期がんになった場合は、

公的保険の介護サービスを1割の自己負担で利用することが可能です。

 

障害年金

 

障害年金とは、

病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになったときに受け取ることができる年金制度です。

 

人工透析やがんはもちろんのこと、うつ病やアルツハイマーなど、幅広い症状に対応しています。

受給者の割合でみると1位が「精神障害」ということなので驚きです。

 

傷病手当金の給付期間は最長1年6ヶ月ですが、障害手当金の場合は

  • 厚生年金の加入期間中に病気・ケガによる障害を発症
  • 年金制度に加入して納付または免除されている

ざっくり以上の条件を満たしている期間内に病気やケガで生活や仕事などが制限される場合、

無期限に年金を受け取ることができます。

 

障害の等級は制限度に応じて1~3級に区分されます。

 

障害等級 1級

他人の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度

 障害等級 2級

必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度

障害等級 3級

労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度

 

以上の等級に該当しない場合でも傷病が治ったものであって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度であれば、

障害手当金と呼ばれる一時金を受け取ることが可能です。

 

月額の平均受給額は以下の表の通り、

 

厚生年金・国民年金の合計

平均 男性 女性
77,829円 81,163円 73,816円
厚生年金保険 101,484円 109,087円 84,359円
1級 153,399円 162,472円 124,117円
2級 115,651円 122,684円 99,743円
3級 56,289円 58,687円 51,702円
国民年金 71,982円 71,791円 72,180円
1級 80,844円 80,845円 80,843円
2級 65,491円 65,233円 65,763円

 

障害の重さにもよりますが、6~16万円の範囲で支給されます。

 

フリーランスや自営業の方は高額療養費制度は利用できますが、傷病手当金や障害年金の制度は利用できないので注意が必要です。

 

医療費控除

医療費控除とは、

支払った年間医療費が一定額を超えたときに、所定の手続きをすることで税金が安くなる制度です。

 

具体的には、サラリーマンなど給与をもらう時点で税金が差し引かれている方は、支払った税金の一部が「還付金」として戻ってきます。

 

そして医療費控除額は、医療費から「保険金などで補てんされた金額」と「10万円」を差し引いた金額となります。

よって医療費控除は、1年間のうちに自己負担した医療費が実質的に10万円を超えたときに使える制度だと言うことができます。

 

がん治療は基本的には治療費が10万円を超えるケースがほとんどなので、この医療費控除を活用できます。

 

医療費控除は以下の計算式算出することが出来ます。

 

STEP1 医療費控除額を把握する

医療費控除額=1年間で支払った医療費の合計金額-保険金などで補てんされた金額-10万円

※総所得が200万円未満の方は「10万円」の代わりに「総所得×5%」を差し引く

※医療費控除額は最高で200万円

 

STEP2 課税所得をもとに所得税率を確認する

【課税所得の計算式】

課税所得=総所得(年間の収入-給与所得控除)-各種所得控除

課税所得の計算方法がよくわからない方は、源泉徴収票の給与所得控除後の金額を確認して見ましょう。

算出された金額を以下の図に当てはめて、税率を確認してください。

 

 

STEP3 医療費控除額と所得税率を掛け合わせる

還付金は医療費控除額と所得税率をかけて算出します。

 

ここでは以下の条件で考えます。

【条件】

  • 医療費総額 ⇒50万円
  • 年間の収入⇒700万円
  • 所得控除の合計額(医療費控除以外)⇒120万円

 

医療費控除額の計算

50万円(医療費の総額)-10万円=40万円(医療費控除額)

 

所得税率の確認

700万円(年間の収入)-190万円(給与所得控除額)-120万円(所得控除の合計額)=390万円(課税所得)

※課税所得が390万円の場合、所得税率は【330万円超~695万円】に該当するので20%

 

医療費控除で実際に手元に戻ってくる金額

40万円(医療費控除額)×20%(所得税率)=8万円(実際に手元に戻ってくる金額)

 

医療費の算出期間は1月1日~12月31日で、

翌年(2月中旬~3月)に確定申告をすることで還付金を受けることができます。

 

雇用保険

 

病気が原因で失業して働ける状態になったとすると、

次の職を探すまでの間、最大10ヶ月の失業給付が受けられる可能性があります。

 

受給額は失業前にもらっていた給与失業時の年齢によって決定されます。

最大で約8,000円/日の給付を受け取ることができます。

 

それでもがん保険は入った方がいいというという意見があったら

 

今までみてきた通り、2人に1人ががんで亡くなるのは本当の話ですが、

それは一生涯の期間でみた場合であること(最終的にはみんな何かが理由で死亡する)ということがポイントです。

また、

  • 若年層はがんにかかる確率、更にはがんで死ぬ確率は極めて低いということ。
  • がんにかかったとしても、生活していけるような体制は十分に整っていること。
  • がん保険に入ったからといってがんは治らないこと

 

以上の点からも、がん保険に入ることは高い安心料を支払っているということになります。

 

それでも、

家族や知人ががん保険に入って得をしたケースも見ている!

 

高額療養費以外の費用も発生する!

 

といったような意見もある方もあるでしょう。

 

確かに保険に入っておいてよかったと思う人がいることは事実です。

30歳で加入して35歳でがんを発症すれば、間違いなく入っていて良かったというでしょう。

 

但し、そのような人は確率的には極僅か(1%以下)で、運が良かった人の話をしてもしょうがないです。

 

保険の本質は「不測の事態が起きて自分だけでは手の施しようがないとき」に備えることにあります。

 

がんになって自動車事故のように1億円以上の費用が発生することがあるでしょうか、

家事で家が燃えて数万円以上の費用が発生することがあるでしょうか、

がん保険で自己破産した人はいるでしょうか、

 

答えは「No」です。

 

保険で損をしたか得をしたかは保険を入るうえでの本質ではないことに注意してください。

 

 

高額療養費以外の費用が発生する。

 

確かにおっしゃる通りです。

高額療養費制度の適用外の治療費として

  • 差額別途代(個室)
  • 食事代
  • 先進医療

 

などが挙げられます。

 

しかし、差額ベッド代や食事代はいわば贅沢費です。

個室に入らなくても病気を治すことが出来ますし、健康であっても食費はかかります。

 

先進医療は高額療養費制度の適用外というのは事実ですが、

がん患者の中で先進医療を受けている割合はたったの1.5%しかいません。

 

また先進医療を受けたからといって、病気が治るわけではないという点にも注意が必要です。

先進医療は聞こえはいいですが、まだ治療の有効性が認められていない医療ということもできます。

先進医療の中で有効性が認められる症例が増えていけば、必ず保険適用の治療に移行します。

 

無駄な保険料を支払うくらいなら、貯蓄・投資をして有事に備えよう

 

結論がん保険は不要です。

 

必要最低限の生活防衛資金を用意した上で、

無駄な保険料を支払うくらいなら、そのお金を貯蓄・投資に回して、将来のための資産形成をしていきましょう。

iDeCoやつみたてNISAなど最近は資産形成に対する法整備もととのってきていています。

 

 

 

若いうちから投資をコツコツと行っていけば超長期でみたときに資産は雪だるま式に増えていきます。

 

この記事ががん保険の加入に悩んでいるかたの助けになれば幸いです。

 

ではまた!

 

2020/3/6

mozu

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