債権は一般的には株式と逆相関の持つ金融商品のため、株式下落リスクを低減してくれる特徴があります。
LQDは投資適格債権を集めた高配当を期待できるETFですが、AGGやBNDといった債権ETFと比べると格付けの低い債権の比率が多いため、性質的には株式よりで、リスク分散にならないのでは?
という見解もみられます。
そこで、コロナショックが起きた期間でのLQDの動きをS&P500やAGGと比較して振り返ってみました。
LQDの簡単なおさらい
- 「BBB」以上の投資適格債権を集めた債権ETF
- 運用は三大運用会社のうちの一つであるブラックロック社が担う
- 毎月分配で分配金利回りは約3.5%を誇る
- 経費率は0.15%と格安
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LQD vs VOO(S&P500) vs AGG【2020年1月〜2020年4月で比較】
ヤフーファイナンスでLQD(青)、AGG(水色)、S&P500(赤)のバックテストを行ってみました。
ヤフーファイナンスより
LQD | AGG | S&P500 | |
リターン | +1.04% | +4.10% | ▲12.36% |
結果は上の表の通りです。
S&P500が大幅に下落しているのに対し、LQDはプラスのリターンとなっています。
ただし同じ投資適格債権を集めたAGGと比べるとリターンは負けてしまっています。
分配金利回りを加味してもこの差が逆転することはありません。
原因は投資家がとにかく現金化に奔走したから?
LQDは投資適格社債を集めたETFとはいえ、格付け「BBB」のジャンク債一歩手前の債権の比率が半数近いため、「AAA」の割合が7割を超えるAGGと比べると健全性は劣ります。
今回のコロナショックでは株式にとどまらず全ての金融商品が一時現金化されてしまったため、株式より安全性の高い債権市場も売られました。
リスクの高い、債権から売られる結果となったため、LQDのパフォーマンスはAGGを下回ってしまいました。
安全資産の金(青色)でさえ一時売られました
LQDは避けるべきか?

じゃあ債権ETFを持つならLQDからAGGに切り替えた方が良いの?
今回の一件でリスク許容度がより安全思考に変わった場合を除いては切り替える必要はないと考えます。
LQDは下落局面でのリターンはAGGには及ばなかったものの、株式の下落をマイルドにする、という債権の特徴はしっかり発揮しています。
また、上昇局面においてはLQDのリターンはAGGを上回っています。
ヤフーファイナンスより(2019年4月〜2020年4月)
コロナショックの局面だけを切り取るとAGGの強さが目立ちますが、中長期的にみてあげるとLQDのリターンが上回っています。
一過性の事象で考えることなく、自分のリスク許容度に向き合って判断することが重要ですね。
本記事のまとめ
- 暴落局面ではLQDよりAGGの方がパフォーマンスが高かった
- LQDでも十分に債権の特徴は発揮している
- リスク許容度が変わらなければ資産の切り替えは不要
- 長期の目線にたって考えよう!
今回は以上です!
ではまた!
2020/4/22
mozu
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