今回は今株価爆上がり中の半導体株、レーザーテック(6920)についての紹介記事です。
半導体関連株が冴えない中、なぜこの会社だけが大きく株価が上昇しているのか?
そんな疑問に対してもわかりやすく解説していきます。
3分で読める内容なので、ぜひ最後までお付き合いください!
レーザーテックって何する会社?
レーザーテックの会社概要をまとめると以下の通り、
- フォトマスク欠陥検査装置を主力とする半導体関連装置メーカー
- EUVマスク欠陥検査装置の世界シェアは100%
- 連結配当性向は35%を目指した利益還元を目指している
ICチップの元になるシリコンウェーハに回路を焼き付ける際、回路が描かれた原板(フォトマスク)が必要になります。
レーザーテックはその原板(フォトマスク)に欠陥がないか検査する装置で圧倒的なシェアを誇っています。
レーザーテックの経営成績・株式指標
経営成績
2019年6月期
第3四半期 |
2020年6月期
第3四半期 |
|
売上高(百万円) | 21,479 | 25,601 |
営業利益率(%) | 25.2 | 54.4 |
1株純利益(円) | 47.64 | 69.97 |
1株配当(予想) | 47 | 55 |
2020年6月期第3四半期の営業利益率はなんと驚異の54.4%、一般的な製造業ではありえない利益率です。
そのすごさはキーエンスと肩を並べるほど。
株式指標(2020年4月30日現在)
株価 | 7,210円 |
PER | 65.01倍 |
PBR | 18.37倍 |
ROE(予想) | 32.2 |
ROA(予想) | 28.0 |
自己資本比率 | 62.1 |
配当利回り | 0.55% |
配当性向 | 35.6 |
PERが65倍は他と比べても高いといえます。
若干分野は違いますが、同じ半導体装置メーカーとPERを比べるとレーザーテックがいかに高い水準かがわかります。
PER | |
レーザーテック | 65.01倍 |
東京エレクロトン | 21.47倍 |
アルバック | 12.69倍 |
1年チャート
カブタンより
直近はコロナショックで落ち込みがあったものの、2020年4月29日に発表された決算が評価され大きく値上がりしています。
半導体の微細化による装置需要の増加を背景にここ3年間で売り上げを大きく伸ばしてきています。
2020年6月期の売上は40,000百万円を見込んでおり、過去最高更新をほぼ確実なものとしています。
なぜレーザーテックは好調なのか?
レーザーテックが好調な理由はEUVマスクブランクスの欠陥検査装置の販売が伸びているということはメディアでも報道されているとおりですね。
なぜコロナショックで世界的に半導体需要が落ち込んでいるのにEUVマスクブランクス検査装置だけが伸びているのでしょうか?
それはEUV(深紫外)を利用した技術の確立が、次世代半導体業界の「主導権」を握るからです。
TSMCやSamsung、Intelといった世界の巨大半導体メーカーがEUVを利用した次世代半導体デバイスの製造競争にしのぎを削っています。
半導体デバイスは心臓部であるICチップの発達と共に進歩してきました。
一般的に一定の面積に対して細かい回路を詰め込んで書いた方がICチップが高性能になります。
ざっくりイメージはこんな感じ、
例えば1.5mmのシャープペンで絵を描こうとすると芯が太いので細かな描写ができませんが、より芯の細い0.5mmのシャープペンを使えば解決できますよね。
細かく回路を書く技術を「フォトリソグラフィの微細化技術」と呼びます。
微細化技術は時代と共に発展してきましたが、次世代の微細化技術として期待されるのが「EUVを利用した技術」となります。
EUV技術の早期確立が今後の半導体メーカーの未来も左右しかねない問題なので、今半導体が売れなくても先行投資として莫大な研究開発費をEUV関連の技術に投資しなければならない事情があります。
そのため、レーザーテックの販売するEUV関連の半導体装置は「半導体業界の浮き沈みに関係なく売れる」のです。
また、レーザーテック以外に同様の装置を販売する会社がないことから、シェア100%で価格競争が生まれない構図もレーザーテックには追い風です。
今後は5Gの拡大も予想され、半導体デバイスに求められる性能は必然的に上がっています。
EUV関連の投資は景気に左右されずにますます活発化されていくので、欠陥検査装置の分野で独占的なポジションにいるレーザーテックは益々成長していくものと考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2020/5/2
mozu