三菱UFJ国際投信株式会社が、『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信』を 2020 年1月 8日(水)に新規に設定し、1月9日(木)に東京証券取引所へ上場しました。
今までS&P500に連動したインデックスを日本円で購入する際は投資信託が主でしたが、今回ETFとして販売されることになりました。

すでに同社から同じ指数に連動するeMAXIS Slim S&P500という投資信託が出ているけど、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信とは何が違うんだろう??
今回はこんな疑問に応えるべく、解説していきたいと思います。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信の概要について
銘柄名 | MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 |
管理会社 | 三菱UFJ国際投信㈱ |
上場予定日 | 2020 年 1 月 9 日 |
決算頻度 | 年二回(分配金あり) |
信託報酬率 | 0.078%(税込0.0858%) |
ベンチマーク | S&P500 |
ファミリーファンド方式で円換算したS&P500指数に連動する投資成果を目指して運用を行います。
この点はeMAXIS Slim(投資信託)と同様です。
eMAXIS Slimと異なる点は分配金(配当金)を得られる点です。
MAXIS米国株式の決算頻度は年2回あり、その際に分配金が配当収益に基づき支払われます。
eMAXIS Slimは配当金再投資型なので、分配金はありません。
MAXIS米国株式にはインカムゲインを得られるというところに特徴がありますね。
また、2020年1月より法律が改正され二重課税調整が行われることから、確定申告をすれば得られる分配金は以前と比べて増加します。
MAXIS米国株式の信託報酬は税込0.0858%とeMAXIS Slimの0.0880%より安い設定となっています。
10万円分購入した場合、両者で220円のコスト差が生まれる計算になります。
eMaxis Slim(S&P500) とMAXIS米国株式の主な違い
eMaxis Slim(S&P500) | MAXIS米国株式 | |
分配金 | 無し(分配金再投資) | 有り |
信託報酬 | 0.0880% | 0.0858 |
ETFの特徴についておさらい
ETF(上場投資信託)の特徴は以下の通りです。
- 市場の取引時間中はリアルタイムで取引可能
- 値動きがわかりやすい
- 最低購入金額がある(金額買付けができない)
- 売買手数料が発生することもある
ETFは投資信託と比べて換金性・流動性が高く、市場価格で購入しなければならないことが主な特徴です。
-
-
インデックス投資(S&P500)は投資信託・ETFどっちで買うべきか比較してみた。
続きを見る
MAXIS米国株式は買いか?
結論から言うと、eMAXIS Slim S&P500(投資信託)を購入することをオススメします。
eMaxis Slimが良いと思うポイント
- 分配金再投資の手間が省ける
- 節税ができる(税金を繰り延べすることができる)
- 長期投資においてはリアルトレードの必要無し
- 少額から投資ができる
分配金再投資の手間が省ける
ETFは分配金を自分で再投資しなければならないのに対し、投資信託は分配金を自動で再投資してくれるので、手間が省けます。
節税ができる
ここが一番大きいと思っています。
MAXIS米国株式から分配金を受け取ってしまうとその分の利益が確定したことを意味し、約20%の税金が発生してしまいます。
eMaxis Slimは分配金は全て再投資に回すので、利益を確定することにはならず、税金を繰り延べることができます。
税金の繰り延べは大きな差を産む可能性があります。
例えばMAXIS米国株式とeMaxis Slimそれぞれ100円持っていたとしましょう。
1年後に20円分の分配金が発生し、資産価値が変わらなかったとすると、
MAXIS米国株式は100円(→20円は利益確定)
eMaxis Slimは120円(←円は再投資)
となります。
さらに1年後、S&P500は10%下がり、分配金は15円だったとします。
この時点でそれぞれ売却した際のトータルリターンを見てみましょう。
MAXIS米国株式の場合
1年目の利益→分配利益20円×80%=16円
2年目の利益→(売却損▲10円+分配金15円)×80%=4円
合計:+20円
eMaxis Slim米国株式の場合(2年目は分配金を再投資に回さない)
1年目の利益→無し
2年目の利益→(売却益8円+分配金15円)×80%=23.8円
合計:+23.8円
あくまで例ですが、eMaxis SlimのリターンはMAXISと比べて20%高い結果となりました。
これは税金を繰り延べしたことによるメリットに他なりません。
リアルトレードをする必要がない
ETFは日中の取引時間中に購入しなければなりません。
つまりS&P500が売買されるNY時間で取引をする必要が有ります。
そんな時間に相場をみながらチャートに張り付いている訳にもいきませんよね。
そもそもS&P500を対象とするインデックス投資は長期投資を前提にしているので、その日底値で変えたとかそうでないとかは正直全く意味は有りません。
少額で投資できる
MAXIS米国株式の売買は口数で行う必要があり、一口1万円前後するので、まとまった資金が必要です。
対して投資信託は100円から金額を指定して売買することが可能です。
まとめ
S&P500に連動したインデックス投資は長期のドルコスト平均法で購入していくことがセオリーかと思いますので、
リアルタイムでトレードする必要がなく、無駄な手間暇をかける必要がない投資信託(eMAXIS Slim S&P500)での購入の方がオススメだと思いました。
投資信託の方が節税という観点からも有利です。
デイトレードや短期目的のトレードの場合は流動性の高いMAXIS米国株式の購入の方が、向いていると思いますが、中長期の投資ではその日ごとの価格を気にして購入する必要はありません。
投資信託が良いと思うポイントをおさらいします。
eMaxis Slimが良いと思うポイント
- 分配金再投資の手間が省ける
- 節税ができる(税金を繰り延べすることができる)
- 長期投資においてはリアルトレードの必要無し
- 少額から投資ができる
あくまで超長期投資を目的とした私個人の見解です。
MAXIS米国株式から得られる分配金を別の金融商品に回したいという考えがあれば、MAXIS米国株式も選んでも良いでしょう。
個人の投資スタイルに合わせて選択していただければと思います。
ではまた!
2020/1/5
mozu